2017-11

Latest Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【031】「Le journal de l'exposition=展覧会日記」Mar.23

今週も2月末に中国を旅行してきた当メルマガ編集長天内が、上海美術館
と上海当代美術館をご紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上海美術館は1956年に創設され,近年(99年以降でしょう)人民公園内にある元上海レースクラブの建物(1933竣工.その後上海図書館旧館として使われた)に移りました.

少し話題をずらしますが,日本では用途と建物の設計とが固定的な関係にあって,用途が変わったときには建物ごと更新する必要がある,との観念があるのか,あるいは改造よりも改築の方が安上がりと考えられているのか,いずれにせよ古い建物が残りにくいです.これに対し,少なくとも私が訪れた上海や青島では,古い建物をそのまま別の用途に利用しているケースが多いです.
 たとえば1918 Art Space(現在はこれも先週ご紹介した蘇州河の畔,ただしM50ではなく地下鉄漢中路駅から,漢中路の続きの橋を渡ったところに移りました)は以前旧フランス租界・香山路にありましたが,一棟のフランス邸宅の中に数家族が暮らしている中の一室でした.つまり邸宅が集合住宅に転用され,一部が画廊に転用されていたのです.

上海vol3-1

上海vol3-2


青島市でもドイツ租界時代の住宅がそのまま公官庁に転用されている例を見ました.建物自体は残りながら,内部でのアクティヴィティは時代ごとに転々としているのですね.写真にある塔付きの瀟洒な建物【写真1,2枚目】はイギリス人の競馬クラブ,図書館,上海美術館と転用されてきたことになります.上海の建築については木之内誠編著『上海歴史ガイドマップ』が詳細に教えてくれます.

さて上海美術館ではアーティスト陳箴の回顧展が開かれていました(2/25-3/18).1955年上海生まれ,残念ながら2000年にパリで亡くなってしまいました.1985年以降フランスで内臓と太鼓という面白い類比(「太鼓腹」?)を元にした,巨大な太鼓インスタレーション(ベッドも椅子も皮を張られ太鼓になってしまいます)と太鼓パフォーマンスといった楽しげな印象もあります.このインスタレーションは家具の集積という点で,川俣正さんを想起させましたが,もちろん動機は違うところにあるでしょう.
 しかし私がもっとも興味を引かれたのは,《社会調査──上海》という1997年の作品(いくつもの上海の都市風景がパネルになった作品です)でした.詳しく立ち入る余裕はありませんが,日本と中国に共通する東洋と西洋という問題系,グローバリゼーションに急激に傾斜する上海の中での歴史地区の保存への視点などが書き込まれたものでした.

上海美術館では他にも自然にインスパイアされた陳天龍の油画展(2/23-3/3;会期は短いのに点数はかなりあった),20世紀の近代芸術運動にわずかずつ言及した展示などがあり,広大な床面積をフルに使って展示されていました(食傷気味というか,疲れてしまいました).陳箴のカタログを買って休憩に訪れたのは,上海美術館の出口ホール(建物中央にある入口ホールではなく北側のはじっこ,時計塔の真下にあります)からエレヴェータで最上階に上がり,さらに階段を登った屋上にあるKathleen's 5というお店.レストラン&バーという位置づけですが,ランチから営業しています.

上海vol3-3


アクリル板で覆われた温室のような「グラス・アトリウム」の中にあり,上を見上げればアクリル板に溜まった雨水ごしに時計塔が聳え(写真3枚目),周囲の人民公園や国際賓館などが望めます.他にも最上階の「オレンジ・インテリア」,晴れて暖かければ開放されていたはずの「ガーデン・テラス」などのぜいたくな空間が用意されています.ディナーで行ってもかなりきれいな空間になるのではないでしょうか(私はランチで行ったので解りませんが).

近くには上海当代芸術館などもありましたが,そこでのお話はまた別の機会に…….(編集局/天内)

上海美術館 http://www.cnarts.net/shanghaiart/
1918 Art Space http://www.1918artspace.com/
Kathleen's 5 http://www.kathleen5.com
スポンサーサイト

テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

«  | HOME |  »

プロフィール

nippon-museum

Author:nippon-museum
日本全国 まるごと
美術館になったら 
おもしろい。

にっぽん
ミュージアムは
社会を愉しくする
アートアカデミー
です。

メルマガ登録は
こちらからどうぞ。
毎週木曜日発信中。
http://www.
mag2.com/m
/0000174
341.html

 

最近の記事

ブログ内検索

 

 

RSSフィード

リンク

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。