2017-07

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【034】「Le journal de l'exposition=展覧会日記」Apr.6

今週は神保町にある建築専門書店「南洋堂書店」スタッフの関口奈央子さんが、池袋の「自由学園明日館」でのお花見体験から、この建物を設
計したフランク・ロイド・ライト関連の本をご紹介して下さいます。身
近にある世界的な作家の足跡を、写真つきテキストでお楽しみ下さい。
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夜桜見学会の季節がやってきた。
JR池袋駅メトロポリタン口を出て路地を歩いて数分、池袋と目白の間に広がる住宅地に現在でも違和感なく建つ「自由学園明日館」。重要文化財に指定され、見学可能な日には今でも多くの人が訪れる。春になると中庭にある樹齢60年の桜がライトアップされ、お酒やお茶を飲みながら夜桜を楽しむことが出来る。

南洋堂3


自由学園は、婦人運動の先駆者として知られる羽仁もと子・吉一夫妻の提唱により女学校として1921年(大正十年)に創立された。そしてこの時、設計を夫妻に要請されたのが巨匠F・L・ライトとその弟子遠藤新である。学校が昭和初期に郊外へ本拠地を移したため、目白の校舎は「明日館」と呼ばれ卒業生の事業活動などに使われるようになった。

広い芝生の南庭を取り囲むように校舎が建ち、完全にシンメトリーの建物である(同じくライト設計による帝国ホテルのように)。低く水平面を強調した立面や、幾何学的な装飾などを特徴とする「プレーリーハウス」と呼ばれるライト独自の建築スタイルに、この明日館も含まれるといっていいだろう。統一体としての建築にこだわるライトは、照明器具や家具・食器にいたるまで全てをデザインしようとした。明日館でも、その統一感が何ともいえない空間を作り出している。

南洋堂2


外観や内部空間にはライトらしさしか見えないが、ライトのスケッチに基づいて実施設計を行ったのは弟子の遠藤新である。しかし、現在都心にもあふれている海外の著名な建築家による作品(ラフなスケッチぐらいしか描いていないのにその建築家の名前だけを目立たせ、実はそのほとんどを実際に設計しているのは大手ゼネコンだったりする話)とは違って、巨匠が残していった仕事を、その弟子がどのように作り上げていったのかを見ることが出来る、ある種の師弟愛さえ感じられる建築である。

私がここに訪れるのは久しぶりだったが、やはり明日館は夜に限る。
(南洋堂スタッフ 関口)


F・L・ライト関連のお勧め本
「フランク・ロイド・ライトとはだれか」
耐震神話を生みだした帝国ホテルの設計者ライト。1世紀にも及ぶその生涯と仕事は謎と伝説に包まれている。ライト研究の第一人者が客観的資料を駆使し、今あらためて「ライトと日本」の物語をうちたてる画期的論考。巻末に詳細な年譜を掲載。

「On and By Frank Lloyd Wright F.L.ライト A Primer of Architectural
Principles」(洋書)
ケネス・フランプトン、コーリン・ロウ等を含む14人による、フランク・ロイド・ライトの作品を分析した論文と、ライト自身の3つの論文を収録した書。写真、スケッチ、図面ほか資料的素材の図版を400点以上掲載。発想から完成に至る、ライトの創造についてより深い理解が得られる。

「フランク・ロイド・ライトのランドスケープデザインWRIGHT SCAPES」
本書は、周囲の環境を主体としながら、いかにライトが、周囲の自然との関わりに配慮しながら偉大な作品を残していったかを、年代順に個々の作品を実例に挙げながら、その思想や具体的な手法まで細かく検証し、解説する。付録として、詳細な植栽表や、ランドスケープにおける推奨事項と禁止事項を示したリスト等が掲載されており、建築における自然とのかかわりを考える上でのヒントを提供している。

南洋堂1

新刊・古書・洋書・雑誌バックナンバーなど、建築関係の本のみを扱っています。建築関連書の買取りも行っておりますのでお気軽にご連絡ください。
店頭販売のほかに、ウェブサイトでの通信販売も行っております。
www.nanyodo.co.jp
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