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【058】「Le journal de l'exposition=展覧会日記」Oct.12

今年5月にも、Foire de Paris 「パリ大市」の楽しい記事をお寄せくださった梶井耶也さんが、今週はフランス・パリの新聞挿絵画家の展示をレポートしてくださいました。
リンク先にある作品を見ながらお楽しみ下さい。

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「デュブゥ、レトロスペクティヴ -le fou dessinant」
(2006年6月〜9月、フランス国立図書館にて)


 昨日は起き掛けの自分をだましだまし、どうせ誰にも会いやしないから、と身なりもろくすっぽ整えず、本のいっぱい詰まった近代建築の奈落の底、通称「庭の階」に行っていたのだけど、例によって魂が抜けており、早々に退散しようと思って地上に這い上がったところ、私と少々異なった風に魂の抜けたおじさんの顔のポスターが気になり、ズルズルと会場に入って行く。

http://www.dubout.fr/

 手もとの簡単な紹介によると、アルベール・デュブゥ(Albert Dubout)は1905年にマルセイユに生まれて20歳の頃から新聞にイラストを描いていたようで、他にもサドやラブレー、ドーデ、エドガー・アラン・ポーなどの文学作品のイラスト、マルセル・パニョルやチャプリンの映画のポスターなんかも手掛けている。勝手な私の印象だけれど、作品にはいくつかパターンがあって、一つにはヒエロニムス・ボス的な、生き物が堆積したような騒々しい世界(ラブレーなんかのイラストはここに入る)がある。その詰め込み様は時にマニアックですらあり、複製できないからと出版社に印刷を断られたコリーダのイラストなんかもあった。
それから、かかア天下的な夫婦像では、よほど「女性らし」くない女性が、ある意味たいそうリアルに描かれていて、それに対する男性である画家のささやかな反抗手段としての滑稽な誇張の仕方が小気味よい。(例えばこういうのとか。 http://www.dubout.fr/fr/dessins/couples/006.php )男性側も「男性らし」くないのだけれど、こういう立場の逆転的なテーマが闘牛のイラストにもあって、牛が闘牛士の墓の前でお祈りしてたりする。牛の表情がかわいいんだ。
(こんなのもその例:http://www.dubout.fr/fr/dessins/tauromachie/003.php
 サドの『ジュスティーヌ』のイラストを見ていたら、会場内、一際でっかい声で連れの女性に作品解説のようなものをしていたじぃちゃんが近寄ってきて、「それはオマイさん用じゃないよ」と宣う。「してみると如何に?」と問う間もなく「兵士用じゃ」、だそうである。特にこういう裸系のは色がきれいなのねぇ、と思ったら彩色に墨を使っているとのこと。

 帰りに展覧会カタログを買おうかな、持ち合わせないな、と迷っていたら、もんのすごい背がおっきくて、もんのすごい短いスカートから筋張った長い脚を出した人が、颯爽とカタログを一冊とって持って行った。遅ればせながらレジに行ったら、さっきの人が仲間二人と合流してちょうど会計を済ませたところで、「どうもアリガト。そんじゃ、アンタもアンタも、みんな、素敵な夜を過ごしてよネ。」と、やっぱり颯爽と去って行った。分厚いお化粧の下に年輪と髭がどうしても無視できないくらい深く刻まれているけれど、それでもお洒落心にしろ、色気にしろ、清々しさにしろ、やっぱり私はこういう姿勢でありたい、と思った。女であるからといって女になるという努力を怠ってはいけないワと肝に命じたワ。 (パリ在住/梶井耶也)
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