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【079】「Le journal de l'exposition=展覧会日記」June 9「薔薇空間」


薔薇空間-L'espace rose-展

宮廷画家ルドゥーテとバラに魅せられた人々と題して、渋谷のBunkamuraザミュージアムにて6月15日まで開催中です。
詳しくは公式HPへ。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_rose/index.html

展覧会の初日、地下の美術館の入り口に向かおうとエスカレーターに乗ったところ、眼下に薔薇のプランターが飛び込んできました。ドゥマゴパリのテラスですが、今まさに開いたばかりの瑞々しい薔薇が沢山揃っており華やかな雰囲気。

この展覧会は「薔薇空間」と題するだけあって、見事に薔薇尽くし。フランス革命前後に活躍した宮廷画家ルドゥーテの『バラ図譜』169点全てが展示されています。

兄の工房で装飾画家をしていたルドゥーテは、植物学者のレリティエと出会ったことがきっかけで植物画の道に入り、マリー・アントワネットや、ナポレオン皇妃ジョゼフィーヌに仕えることになります。
ジョゼフィーヌが集めた珍しい薔薇の品種を記録するため、ルドゥーテが8年の歳月をかけて制作したこの『薔薇図譜』ですが、イギリスで身につけたスティップル・エングレーヴィング(stipple engraving 点刻彫版法)という点の集合で陰影を表現する技法を用いているそうです。
このため輪郭線がなく、淡いグラデーションの表現が可能になったとか。
植物画の目的は、その植物の色や形態を正確に記録することですが、ルドゥーテの作品は正確無比な描写だけではなく、蕾のふくらみや花首の傾きの表情が実に豊かで、まさに薔薇の肖像画といった趣、図鑑の域を超えています。

 
会場ではまず入口で作品リストを入手。
素敵な薔薇の表紙のリーフレットに挟まれており、気分が盛り上がります。展示室に足を踏み入れると薔薇の香りが!なんと薔薇の芳香を漂わせてあります。

作品は品種、系統ごとに展示されており、後述の壁面の色分けの効果もあって、その違いが良く分かります。
古代種にはじまる展示はガリカ系、ダマスク系、アルバ系、ケンィフォリア系、モス系と並び、オールドローズ種も同様にチャイナ系など各系統が並び、薔薇と一言で括れない豊かな世界が広がっています。
中でもマリー・アントワネットが肖像画で手にしているケンティフォリア系の薔薇の、花びらが幾重にも重なった豪華な姿は見飽きません。

中でも興味深いのは「花の中から突き出て二番目の花が咲くバラ」です。
栽培の過程で偶然できたもののようですが、これを新種としてル・ドゥーテは絵に残しています。
花の中から葉が出ているロサ・ガリカ・アガタ・プロリフェラ、花の中にもうひとつ花があるロサ・ダマスケーナ・セルシアナ・プロリフェラと、ロサ・ケンティフォリア・プロリフェラ・フォリアケアの3つの図版、お見逃しなく!

会場の後半にはイギリスの風景画家、アルフレッド・パーソンズによる植物図譜『バラ属』の図版、二口善雄氏の水彩画、齋門富士男氏撮影の写真が展示され、様々な薔薇の表情を楽しめます。

さて会場装飾ですが壁面はピンクと白で構成され、普段も使われている黒いソファはピンクのシートで包まれて、室内がピンクのハーモニーになっています。
一部屋ごとにこの壁面の色調は異なり、濃いピンクや淡いグリーン、柔らかなブルー、イエローなどが作品に併せて配されています。
シンプルな額縁を連ねたリズミカルな展示と相まって居心地の良い空間となっています。

また美術館と言えば静かな場所というイメージですが、今回はクラシック音楽が会場に流れ、視覚、嗅覚、聴覚で味わえる素敵な展覧会です。

驚いたのはCGのインスタレーション。
ル・ドゥーテの作品をモチーフにした「ロサ・ケンティフォリア開花」という3DのCGムービーが会場で上映されています。
作品の中の薔薇を回転させながら、蕾の開花から枯れるまでをCGにしているのですが、この技術が素晴らしく思わず見入ってしまいます。
CGの画面が図版と同じ額縁に縁どられているのもお洒落です。

気になる図録ですが、手にとって嬉しいのは、表裏表紙とも見返しにまで絵が配されていること。
伸びやかな薔薇の絵が配されており、思わず本棚に飾っておきたくなります。
図録1
図録2
図録3


ミュージアムショップも大充実。まず目に入るのは壁面に並ぶ色とりどりの絵柄が配されたエコバック、どれにしようか迷ってしまいます。ルドゥーテの作品をモチーフにしたアイテムとしてはお馴染みの絵葉書、一筆箋(縦書き、横書きともあります!)、レターセット、カードにクリアファイルなどが揃っています。私のお勧めは小型のクリアファイル。蓋がついており、チケットや領収書など細々したものを整理するのにぴったりです。
文具1
文具2
文具3

ポーチやエプロンなどのファブリック類、食器などまで揃っています。ハンドタオルやハンカチひとつとっても、ル・ドゥーテの作品の薔薇の繊細な表情が再現されており本格的。使うのがもったいないほどです。
hkc1
hkc2

ギャラリートーク等の関連イベントをはじめ、レストランではタイアップメニューが出るなど、会場内外で楽しめるこの展覧会、ランチを兼ねた休日のお出かけにお勧めします。

【嶋田華子】
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